CYCLONE GRAPHICS inc.
CYCLONE GRAPHICS inc.

有限会社 サイクロングラフィックス

〒167-0054
東京都杉並区松庵3-24-11 ハイネス隆1-A
アクセス:西荻窪駅 徒歩4分
入り口はマッサージ店の角を曲がってすぐです。

CYCLONE GRAPHICS inc.

Hainesuryu1-A, 3-24-11, Shouan, Suginami-ku, Tokyo, 167-0054, Japan
ACCESS: Nishiogikubo Station 4-minute walk.
Entrance is just around the corner of the massage parlor.

サイクロングラフィックス 分室

〒167-0054
東京都杉並区松庵3-14-15 コアクリエート201

ANNEX

Corecreate201,3-14-15,Shouan,Suginami-ku, Tokyo,
167-0054, Japan

アニメ「 ワンダンス」3DCGについて

アニメ「ワンダンス」では、基軸ツールとしてBlenderを使用しています。
アニメ本編ではCGが随所に使われており、モーションキャプチャーを使用したダンスパートから、CG背景、モブモデル、画面からは見えないCGLOを含め膨大なCGが作成されています。
アニメ「 ワンダンス」のBlenderによる3DCG工程について、簡単に御紹介します。
大まかな工程は以下のようになります。

A.シーンセットアップ(CGパート、ダンスCGパート共通)
①モデリング、セットアップ
②シーンの構成

B.CGパート(作画に関わるCG)
①CGLO(CGレイアウト)
②CGBG(CG背景)
③CGCE(CGセル)

C.ダンスCGパート(3DCGアニメーション)
①モーションキャプチャー
②プリビズ(アニマティック)作成
③服、髪等のシミュレーション
④エフェクトの作成
⑤CGBG+CGCEレンダリング
⑥コンポジット

各工程の簡単な説明をしていきます。

A.シーンセットアップ
①モデリングのセットアップ
美術設定デザインを基にBGのモデリング、キャラクターデザインを基にキャラのモデリングをします。

SketchUpのデータを下地にした美術デザイン画

BlenderでモデリングしたBG

湾田設定画

Blenderでモデリングした湾田モデル

衣装モデルはMarvelous Designerを使用して型紙から作成しています。

②シーンの構成
後工程でスムーズにレンダリングまで進めるための下準備です。
シーンやビューレイヤー、コンポジットノードを使用して組み立てます。
コレクションの整理が非常に重要です。

アウトライナー、コレクション構成

CGCE用Compositor画面

B.CGパート
①CGLO(CGレイアウト)
絵コンテから3D空間上にあたりとなるキャラクターを配置し、カメラをおいてレイアウトを取ります。

完成画面

絵コンテ

CGLO演出・監督チェック前

CGLO演出・監督修正指示

CGLO修正版(okテイク)

②CGBG(CG背景)
CGだけで作成された背景画像。
CGレイアウトにて配置したカメラからCG背景をレンダリングします。
この時コンポジット作業で使用する複数の要素を出力しています。
また、カットによってレタッチBGというCGBGの上に美術様の手をれてもらう場合もありました。

CGBG+美術様レタッチ後

CGBG – Beauty素材

CGBG – 各素材

③CGCE(CGセル)
後ろに立っていたり、歩いているモブキャラクターやバスケットボール、トランプなどの小物のポーズ、アニメーションを作成します。

#10からのクラブでは多くのモブが登場します。

#3のトランプ
こうして出来たそれぞれのレンダリングデータをコンポジットセクション、撮影セクションに渡して、最終的な映像になっていきます。

C.ダンスCGパート
モーションキャプチャーを中心としたダンスCGパートは、カメラアニメーション、衣装シミュレーション、エフェクトなどの要素が含まれています。

①モーションキャプチャー

SPICE様のスタジオにダンサー様をお呼びして、ダンスの動きをキャプチャーします。キャプチャーしたモーションデータはSPICE様にクリーンナップしていただきました。

収録風景(収録スタジオ:スパイス モーションキャプチャースタジオ)
指先の動きまでキャプチャーしています。

②プリビズ(アニマティック)作成
収録したモーションをもとにカメラワークを付けていきます。
ここで作成したプリビズをもとにモーションのクリーンナップの範囲や、服や髪のシミュレーションの範囲を決定します。
実際は音楽編集やダンス演出等の工程があるため、CGカメラの前にプリビズの編集を繰り返します。

CGカメラ作成の作業画面

曲:GZO-Who’s next?

③衣装、髪等のシミュレーション
衣装はMarvelous Designerを使用して、パターンによるモデリングをしています。
シミュレーションの起点はダンスモーションからになるようにし、重力を感じられるような動き、リアルなしわを再現しています。

Marvelous Designer作業画面

髪はblenderでシミュレーションして作成しています。
シミュレーションを取ったオブジェクトにレンダリング用オブジェクトを重ねています。

④エフェクトの作成
エフェクトはオリジナルのアドオンと連動したジオメトリーノードを使用しています。
(アドオン制作はQ@スタジオぽぷり様)

⑤CGBG+CGCEレンダリング
ダンスモーションのクリーンナップ、服、髪のクリーンアップが終わったら、blenderのシーンにそのデータを入れこみ、レンダリングをしていきます。

ローカル環境ではレンダリングする際B-renderonを使用しました。

ダンスパートの多くのフレームをFox renderfarmというクラウドレンダリングサービスを利用してレンダリングしました。

⑥コンポジット
レンダリングしたCgbgデータとCgceデータをAftereffectsにバッチファイルで読み込みます。
コンポジットでは、効果を合成しながら画面を演出します。

CG素材仮組み

コンポジット後

完成したデータは、コンポジットチームに渡り最終的な画面が作られていきます。

以上、アニメ「 ワンダンス」のBlenderによる3DCGについてのご紹介でした。それぞれの工程について詳しくは別の記事で解説していく予定ですので引き続き弊社BLOGをご確認いただけますと幸いです。

(サイクロングラフィックス・秋山)